第87回
空き家を相続したが、まだ売るか売らないかを決められない
昨年母親が亡くなり、空き家になっている実家を相続したが愛着もあり、親のことを考えるとまだ売るか売らないかを決断できずにいるというご相談でした。この方のように、相続した不動産をどうすべきか?なかなか決断できなくてお悩みの方も多いです。
空き家を適正に管理できるなら問題は無いのですが、遠くに住んでいる等の理由で管理できずに放置してしまった場合にはデメリットが出てきます。
まずは不動産自体の価値の低下です。住んでいない建物は急激に劣化してしまいますので、思った以上に価値が低下してしまうことになります。もう一つは、近隣への弊害です。庭の雑草が生い茂って虫が大量発生して迷惑を掛けたり、建物の一部が風で飛んで他人を傷つけてしまったり、と心配事が常に付きまといます。なので、何らかの理由があって所有を続けるのであれば、ご自身で管理するか、お住まいが遠いのであれば、近くに住む知人や業者に管理を任せる必要が出てきます。
それでも所有者にとっては不動産に特別な想いを持っている方も多く、第三者がとやかく言いにくいものですが、もし最終的に売る事を前提に考えているのであれば、相続(親が亡くなった日)が発生してから3年以内に売却すれば空家特別控除の制度を利用できますので、それまでに決めるようにした方が節税面でのメリットは大きいです。
(2022.10)