第72回
相続登記が義務化されると今のままにしておいてはマズい?
昨年お母様が亡くなり相続があったが、相続登記は行っておらず、不動産が故人名義のままになっている。法律改正により相続登記が義務化されるようだが、このまま放置しておいて良いものか?というご相談でした。
そもそも話の発端は、所有者不明の土地が全国土の22%に達していて、高齢化により今後さらに増加することが予想され、不動産取引や地域経済への影響がますます深刻化していることにあります。そして、この所有者不明となる発生原因の3分の2は相続登記の未了によるもので、相続によって所有者が変わっているにも関わらず、名義が故人のままになっていることがあり、相続から時間が経過するほど所有者を探し出すのが難しくなり、その結果、所有者不明の状態になることが多いようです。
そこで今回成立した法案では、現在任意である相続登記が義務化されることになります。不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記による名義変更をしなければならず、違反すれば罰則(10万円以下の過料)が課せられることになります。
このような罰則も設けられ、将来その不動産を売却する際には、いずれにしても相続登記が必要になります。大事な自分の不動産を守るためにも、今から登記の名義を現実に合わせておいた方がいいです。手続き等については、我々不動産業者か司法書士までご相談ください。