第50回
更地にしてから売却した方が高く売れると聞いたが本当か?
川越市内で相続した実家の売却を検討している方で、ネットを見たら「建物が古い場合は、更地にしてから売った方が高く売れる」と書いてあり、自分も先ずは更地にしたいので良い解体業者を紹介してほしい、というご相談でした。
確かに、購入者は新築住宅を建てるために敷地が欲しくて購入するケースが多いので、もちろん更地の状態の方が解体のコストが掛からないので、その分高く売れる可能性も高いです。しかし、現実的には次の二つのリスクも考えておく必要があります。
一つは、建物を解体すると土地の固定資産税の軽減措置がなくなり、税額が最大で6倍に跳ね上がってしまう可能性があること。二つ目は、建物の解体費用を手持ち資金で準備しなければならなく、もし更地にしてから売れない場合には、その解体費用を回収できないリスクがあることです。
ですから、当社ではこのような案件を依頼された際には、基本的に建物をそのままの状態で売却に出すことを提案します。そして税制面等も考慮しながら、解体を売主側で行うのか?買主側で行うのか?の条件を決めてからスタートします。
高い価格で売ることだけを考えれば、先に書いたネットのように更地にした方が高く売れることは間違いありませんが、売却する上で重要なのは、色々な諸費用がかかりますので、売却価格だけでなく掛かる諸費用を考えて、最終的に手取り金額がいくらになるのか?を常に意識することです。