第30回
自分には空き家売却時の3,000万円特別控除が適用されますか?
相続したご実家の件で相談をいただきました。住んでいたお母様が4年前に亡くなってから空き家になっており、共有で相続した遠くに住む妹さんとスムーズに話を進められずにいたが、やっと売却する方向性が決まり名義変更も終わった、とのことでした。相談の中で、自分の場合は前述の特別控除が適用されるのか?と質問がありました。
以前にも簡単に書きましたが、この特別控除は空き家対策の一環として平成28年に創設された新しい制度で、その控除を受けるためにはいくつかの要件を満たす必要があります。
その一つとして「相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡する」という重要なポイントがあります。つまり、この相談者の場合には平成25年8月に相続が発生(お母様が死亡)しているので、平成28年12月31日までに譲渡する必要があったということになります(起算日は相続日であって名義変更日ではないことに注意)。よってこのケースでは適用がされないことになり、その旨をお伝えしました。この相談者の方も、事前にネットでその要件は調査済みで、確認のつもりで質問されたようで納得された表情でした。
相続した空き家を売却する場合に、この控除が受けられるか否かは大きな違いですので、事前によくタイミングを考えておく必要があります。他の要件も含め、適用の可否をお知りになりたい方は一度ご相談ください。