第20回
隣地との境界がはっきりしていなくても売却は出来ますか?
土地売買の際には、売主に境界の明示義務が課せられます。これは、将来隣地所有者との間でトラブルが起こらないように、売買の対象範囲を明確にして取引しようという考えからです。
通常、境界には境界標と呼ばれるブロック杭や金属プレートが入っていて、それらを結んだ線が境界となります。ブロック塀やフェンスがあるから大丈夫だと主張する方もいますが、正確にはそれらが境界と一致するとは言い切れません。初めから越境して造られている可能性もあるからです。
なので売却を始める際には、まずは全ての境界標を探すことから始めます。見つかってしまえば問題ありませんが、見つからなかった時には、土地家屋調査士に依頼して隣地所有者立会いのもとで新たに境界標を入れることになります。
しかし、まれに境界が確定出来ない場合があります。例えば、隣地所有者との日頃からの人間関係の問題だったり、境界が明確になることで一方の不利益が起こってしまうようなケースです。そうなると新たな境界標を入れることは出来ないので、境界不明確のまま売却ということになってしまい、土地としては大きなマイナスポイントになり、契約自体が白紙になるような場合もあります。
ですから、まずは境界がどのような状態なのか?を初めに確認することが大事になります。