居住用財産を売った時の3,000万円特別控除とは?
前回、譲渡所得税の基本的な計算方法は、購入した時より高く売れた(利益が出た)場合には、その利益に対し、所有期間が5年超なら約20%、5年以下なら約40%だと書きました。
しかしその売却した不動産が居住用財産(いわゆるマイホーム)の場合には、3,000万円の特別控除という特例があります。言い換えれば、マイホームの売却ならば3,000万円までの利益に対しては譲渡所得税が掛からないというありがたい制度です。この特例は、所有期間には関係なく利用でき、転居した後でも3年以内であれば、その期間他人に貸与したとしても対象となります。
ただし、ここで言う居住用財産とは、実際に所有者自身が生活の拠点として利用していた家屋(その敷地を含む)の売却であることが大前提となりますので、例えその家屋に住民票が移されていても、実際に住んだことがなければ受けられませんし、特例の適用を受ける目的でのみ入居したと認められる場合にも対象とはなりません。加えて、趣味・娯楽・保養のために所有する別荘なども同じく対象外となります。また、売却した相手が配偶者や親族でないことも条件となりますので注意が必要です。
最近社会問題化している空き家対策の一環として、相続で取得した不動産にも、一定の要件のもとでこの3,000万円特別控除が適用されるようになっています。
(第11回に書きましたので参考にしてください)